鉄 道

青 森


 青函トンネル坑口


   訪問日


 2013年 8月


詳 細


 JR海峡線にあるJR北海道の鉄道海底トンネルです。
 全長は53.85km(海底部は23.3km、海面下240m)で世界最長の海底トンネルです。
 青森県 今別町と北海道 知内町を結んでいます。

 1961年に建設を開始し、長きにわたる工事と幾多の困難を乗り越え1988年に開通したトンネルです。
 構想自体は戦前からありましたが多くの問題があり実現はしていませんでしたが、1954年に起きた洞爺丸事故が
 きっかけとなり計画が具体化されました。

 元々は在来線規格で設計されていましたが、将来を見越し新幹線規格に変更して建設されました。
 その為、保安装置を含めほとんどの設備が現在でも新幹線規格に準じています。
 現在、北海道新幹線への転換の為、順次工事が進められています。2つあるトンネル内の駅(非常時用に設置)
 は閉鎖予定で見学ツアーについては吉岡海底駅が終了しています。


 建設費はトンネル単体で7455億円、海峡線・利息等含めると1兆円を費やして建設しました。
 開通時には整備新幹線計画が凍結されており北海道との人の行き来は航空機がほとんどを占めていて、
 開通後も懸念される大量の湧水(それも海水)、多湿による設備の腐食防止などの多額の維持費で
 「無用の長物」と言われる様になりました。
 道路への転用やきのこ栽培、石油備蓄基地として利用など無茶な議論も挙がりましたが、結局暫定的な
 在来線としての開業で落ち着きました。

 上記の様に無駄遣いの槍玉に挙げられる事もありますが、決して悪い事ばかりではありません。
 一番の利点は天候に左右されず物資を輸送出来る事です。現在青函トンネルを通る列車は1日に貨物が上下50本、
 旅客列車は上下20数本で圧倒的に貨物列車の方が多いです。
 北海道の主要産業である農産物の安定輸送に貢献し、また本州からの生活用品や雑誌の輸送ラグを短くする事に
 役立っています。


 北海道新幹線開通後は旅客列車は全て新幹線に置き換えられますが、在来線の貨物列車は今後もこのトンネルを
 走行する予定です。この事が現在大問題になっていて、新幹線の最大のサービスである高速性が脅かされています。
 いくつか問題がありますが、最大の懸念は最高速度260km/hで走行する新幹線と対向する貨物列車がすれ違った際に
 風圧で貨物のコンテナが破損し崩れるのでは、という事です。

 対策としては新幹線の最高速度を引上げないですが、それでは経済的に勿体無いという事で色々な対策案が研究中です。
 当分はダイヤ調整し新幹線専用の時間帯を設け、その間だけ最高速度で走行しその他は減速するとの事です。
 将来的には貨物列車の進入を検知してすれ違う時にだけ新幹線を自動的に減速させるシステムや、貨物列車を
 「トレイン・オン・トレイン」にして運用するのではと言われています。


行き方


 青森市内から国道280号線を北上し、今別町の市街地の少し先にあるJR津軽線 津軽浜名駅から800m程
 竜飛崎方面に行った所で左折します。周囲に目標物はありませんが、看板が立っているのですぐ分かります。
 ちょっとした公園と駐車場があります。






坑口。
出口は53km先の北海道です。




特急列車が進入して行きます。
通過時間は撮影ポイントの近くに看板があります。
ただ、定期旅客列車のみで臨時列車や貨物列車は記載されていません。








対向からも。




旅客列車は基本この2種類です。












反響音がかなり遠くから聞こえます。
どの列車が出てくるかワクワクしながら待てます。




貨物列車。
コンテナ満載の長大編成が通過していく様は迫力があります。




着々と新幹線工事が進んでいます。
軌道が3条化してありました。






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